- 「フライングって何?」
- 「どんな罰則があるの?」
- 「払い戻しや返還はあるの?」
そんな疑問にお答えします。
競艇において、フライングは競技の公平性を損なう可能性があるルール違反です。
本記事では、競艇におけるフライングの意味や罰則、選手や施行者に与える影響、フライングが引き起こす問題について詳しく解説します。
本記事を読むことで、フライングに関する正しい知識が身につくでしょう。
競艇初心者は競艇の全てをわかりやすく解説しているこちらの記事もおすすめです。
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競艇におけるフライングとは?
一般的にフライングとは、出発の合図がある前にスタートをする違反行為を指します。
しかしフライングスタート方式を採用している競艇において、スタート時の合図はありません。
ここでは、競艇におけるフライングについて詳しく解説します。
競艇は「フライングスタート方式」
競艇のスタート方式であるフライングスタートとは、スタートラインから一斉にスタートするのではなく、「決められた時間」の間にスタートラインを通過することでスタートできるというものです。
「決められた時間」とは、大時計が0~1秒を示す間のことで、0秒よりも早くスタートラインを通るとフライングになってしまいます。
競艇のフライング=0秒よりも早いスタート
競艇におけるフライングは、大時計が0秒を示すよりも早くスタートラインを通過することで起きます。
判定は厳しく、例え0.01秒でも早くスタートしてしまうとフライングです。
また、0.05秒以上早いスタートの場合は「非常識なフライング」とされ、選手に対する罰則がより重くなります。
ペナルティの重い「非常識なフライング」
スタートラインを通過するタイミングが0.05秒以上早いと、「非常識なフライング」です。
非常識なフライングは、通常のフライングに比べてペナルティが重く、これから解説する罰則の1つである「フライング休み」が5日分引き延ばされます。
フライング | 非常識なフライング | |
---|---|---|
スタート | 0秒より0.01秒~0.04秒早い | 0秒より0.05秒以上早い |
フライング休み | 30日 | 35日 2回目以降も通常のフライング+5日 |
競艇でのフライングは引退?罰則や罰金などのペナルティを解説
ここでは、選手がフライングをした際の罰則や罰金などのペナルティについてまとめました。
- フライング休み
- 賞典除外
- 事故点加算(20点)
- 罰金
- 選出除外
- 引退勧告
フライング休み
「フライング休み」は、フライングを犯した選手がレースに出場できなくなるという罰則です。
休みの期間は予め定められており、フライングの回数によっても変わってきます。
1回目のフライングではまず30日のフライング休みを科せられますが、2回目ではプラス60日、3回目ではさらにプラス90日と、回数を重ねると休みも増えていきます。
ちなみに、「非常識なフライング」を行った選手は、通常のフライング休みよりも5日間長いというペナルティです。
フライングの回数 | フライング休みの日数 |
---|---|
1回目 | 30日 |
2回目 | さらに60日加算 |
3回目 | さらに90日加算 |
4回目 | さらに180日加算 |
賞典除外
競艇には、「賞典レース」という賞金の高額なレースが存在します。
優勝戦や準優勝戦・選抜戦などが賞典レースです。
賞典除外とは、その節の賞典レースへの出場が不可能になることです。
この罰則を受けた選手は、他の選手よりもモチベーションが低いため、着順も期待できなくなります。
これは、賞典除外となった選手がどんなに良い成績をおさめても準優勝戦に参加できないためです。
舟券を購入する際には、その選手が賞典除外となった選手でないか注意しましょう。
事故点の加算
事故点の加算は、フライングだけでなく、出遅れを行った選手にも科せられます。
ペナルティポイントとして加算される点数は、一般戦では20点ですが、優勝戦では30点です。
事故点は、競艇の級別審査においても選手のグレードを決定づける重要な判断材料になります。
事故点を重ねると、どんなに成績が優秀な選手でもB2級選手まで落ちてしまうため選手は十分な注意が必要です。
罰金
知らない競艇ファンも意外と多いのが、フライングによる罰金制度です。
金額は6万円ですが、これはあくまで1度目のフライングの金額になります。
2回目や3回目は、さらに金額が増え、罰金額は10万円まで膨れ上がります。
とはいえ、返還金額の大きさや施行者の損失などを考えると、この罰金金額は安い方だと思う方も多いのではないでしょうか。
選出除外
特定のレースに出場することが不可能になることを、競艇では選出除外といいます。
SG・G1・G2レースの準優勝戦や優勝戦でフライングを行うと、選手は選出除外の罰則となります。
出場を予定していたレースへの参加も一切できなくなるため、選手にとってはつらい罰則だといえるでしょう。
レースのグレード | 選出除外の期間 |
---|---|
G1レース | 優勝戦でのフライングは1年の選出除外(SGレースへの出場はOK) 準優勝戦でのフライングは半年の選出除外(SGレースへの出場はOK) |
SGレース | 優勝戦でのフライングはSGレース2年、G1レース1年の選出除外 準優勝戦でのフライングはSGレース1年、G1レース半年の選出除外 |
引退勧告
フライングを4回重ねると、選手に引退勧告が出されます。
引退勧告自体に強制力はないものの、4回もフライングをした選手は需要が低下し施行者からも忌避されてしまいます。
その結果、引退せざるを得ない状況になってしまうことが予想されるため、選手はフライングを重ねないために十分気を付けなければなりません。
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競艇のフライングを2回・3回と繰り返した場合
フライングは1回目で様々な罰則があり、4回目には引退勧告が出されますが、2回や3回目の場合はどのような罰則があるのでしょうか。
ひとつずつ見ていきましょう。
罰金の金額が10万に
競艇におけるフライングの罰金は6万円ですが、これは1回目の金額です。
2回目と3回目は、罰金の金額が10万円まで増えます。
フライングの回数 | 罰金の金額 |
---|---|
1回目 | 6万円 |
2回目 | 10万円 |
3回目 | 10万円 |
フライング休みの日数が加算される
フライングを2回、3回と繰り返すと、フライング休みも回数によって以下の通り増えます。
フライングの回数 | フライング休みの日数 |
---|---|
1回目 | 30日 |
2回目 | さらに60日加算 |
3回目 | さらに90日加算 |
ちなみに、4回目のフライング休みは+180日のため、最長で360日ものフライング休みとなります。
ほとんど1年間も活動できないのは、競艇選手にとっては大きなダメージです。
また、非常識なフライングを繰り返した場合のフライング休みは通常のフライング休み+5日間のため、以下のようになります。
フライングの回数 | 非常識なフライングの場合 |
---|---|
1回目 | 35日 |
2回目 | さらに65日加算 |
3回目 | さらに95日加算 |
この非常識なフライングへの処置は2022年5月に設けられたもので、それ以前はフライング休みが5日間追加される代わりに「即日帰郷」という罰則でした。
訓練所行き
1度目のフライングから90日が経過しないうちに2度目のフライングを犯すと、選手は訓練所に行き訓練を受けなくてはなりません。
訓練所は、愛知県にある「碧南訓練所」で、期間は3日間です。
交通費も実費となるケースがあるため、罰金以上につらかったと話す選手もいます。
競艇でわざとフライング?
事実上の引退勧告となる半年間の「斡旋保留」ですが、以下のような基準が儲けられています。
勝率3.00以上を維持できない場合または事故点が1.00を越えた場合
しかし、これには「登録6期(3年)以内または出走回数50走未満は除外」という条件があります。
出走回数が50に満たない選手は、斡旋保留とならないのです。
以前、わざとフライングをしたことで出走回数を50未満におさえ斡旋保留を免れたと噂された選手がいましたが、真偽は定かではありません。
基本的にわざとフライングをする選手はいませんし、もしいるとしても、それを選手以外の人が知ることは不可能です。
競艇でのフライングはオッズが下がる?払い戻しと返還について解説
フライングをした選手がいると、そのレースのオッズが一気に下がります。
ここでは、フライング時のオッズが低下する理由について解説します。
フライングの際にオッズが下がる理由
レースでフライングが出ると、オッズが下がってしまいます。
これは、フライングをした選手が未出走とみなされ、オッズの再計算がされるからです。
再計算の際には、フライング選手の舟券が返還される分、売上=賭けた人の取り分が少なくなり、結果としてオッズが下がるという事態になります。
フライングは選手にとってだけではなく、舟券を購入した人々も被害を被ることになります。
払い戻し金はいくら?返還について
競艇でフライングが起きると、フライングをした艇の舟券を買った人には支払った金額がそのまま返還されます。
ちなみに、返還があるのはフライングの際に限り、転覆や落水、エンストでは払い戻しされることがありません。
レースが開始されるまでフライングが起きるかはわからないため、購入した舟券は捨てずに絶対に舟券は捨てずに保管しておきましょう。
払い戻しの金額=フライングした艇の舟券を購入した金額
なので、返還を受ける人は損をすることも特をすることもありません。
競艇史のフライングで高額返還が起きたレース一覧
フライングによって高額な払い戻しが起こったレースはたくさんありますが、その中でも特に印象的な勝負を一覧にしました。
特に2002年のグランドチャンピオン決定戦で起きた西島・熊谷両選手のフライングによる返還金額は24億円と、競艇史に刻まれるほどの高額な払い戻しを記録しています。
西暦 | 競艇場 | レース名 | フライングした選手名 | 返還金額 |
---|---|---|---|---|
1989年 | 住之江 | 笹川賞競走 | 西田靖・荘林幸輝 | 19億円 |
2001年 | びわこ | 新鋭王座決定戦 | 守田俊介・大神康司・瓜生正義 | 17億円 |
2001年 | 住之江 | 賞金王決定戦 | 山崎智也 | 18億円 |
2002年 | 宮島 | グランドチャンピオン決定戦 | 西島義則・熊谷直樹 | 24億円 |
2007年 | 平和島 | 総理大臣杯 | 植木通彦 | 17億円 |
競艇でフライングをした選手は怒られる?
「フライングをした選手は、施行者に怒られる」という噂があります。
これは、フライングをした選手に賭けられた舟券=売上が減るため生まれた風潮です。
過去にはボートレース平和島で、競技委員長がフライングした選手を罵倒した事件もありましたが、その1例を除いて競艇選手が施行者に怒られたという話はありません。
フライングをした選手のことを施行者がよく思わないことは事実かもしれませんが、実際には怒られるというよりも、反省文の提出を求められるケースが多いようです。
競艇選手の山口剛さんは、2022年12月にボートレース大村で開催されたグランプリトライアルでフライングをしてしまいました。
その際にも、反省文を提示して再発防止に努めるための話し合いをしたとのことです。
競艇のフライングについて解説:まとめ
本記事では競艇におけるフライングについて解説しました。
稀に、強風や荒波などの環境による影響でフライングとなるケースがありますが、その場合は選手責任外となり選手に対する罰則がなくなります。
またモーターの不調や選手の怪我によるスタート事故も、ペナルティの対象外です。
もちろん、めったにない話ですが、大時計が壊れた場合もフライング扱いになることはありません。
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