ポーカーは、運要素の強いゲームですが、同時に実力も大きく影響するゲームでもあります。
様々な戦略が存在し、上級者と初心者では比べ物にならないほどの成績の差が生まれます。
そのため、初心者の人はなぜこんなにも成績に差が生まれるのかと、疑問に思ったことはないでしょうか。
大きく成績が離される理由の1つは、初心者はポーカーの定石を知らないことが挙げられます。
本記事では、ポーカーの定石について解説していきます。
ポーカーを勉強する人にとって、定石は当たり前の戦略ばかりですが、初心者であれば学ぶだけでプレイを劇的に変えられるでしょう。
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テキサスホールデムポーカーに定石はあるのか
ポーカーには、定石があります。
ポーカーはギャンブルなので、運要素や心理戦のイメージが強いです。
実際には、基本的なプレイ方法や定石となる戦略が存在し、この定石を知らないと相手プレイヤーに圧倒的な差をつけられてしまいます。
ポーカーの定石はなんとなく作られた戦略ではなく、数学的な正しさを持つ戦略です。
ただし、ポーカーの定石は誰に対しても、圧倒的に勝てる戦略ではありません。
相手にするプレイヤーによって、最適な戦略は大きく変化します。
より大きく稼ぐためには、ポーカーの定石から大きく逸脱する必要もあるでしょう。
ポーカーの定石は、アクションとして正解になることが多いです。
そのため、最初の内はポーカーの定石を意識して、ゲームをプレイすることがベストになります。
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ポーカーの定石①:基本的なプレイの仕方
ポーカーには、定石と呼べる基本的なプレイの仕方があります。
これを守らなければ、他のプレイヤーに大きく差をつけられてしまうでしょう。
以下が、基本的なプレイの仕方の代表例です。
- リンプインをやめる
- なんとなくで手札を選ばない
- レイズ額を適当にしない
- 手堅くプレイする
上記の3点が必要な理由や、具体的な方法について解説していきます。
リンプインをやめる
リンプインとは、プリフロップでオープンレイズをせずに、1BBだけ払ってコールすることを指します。
ポーカーでは、相手に降りてもらうことで大きな利益を得られます。
短期的には、数BBなので少なく見えるかもしれません。
しかし、塵も積もれば山となるように、長期的な収支に大きな影響を与えます。
強い手札は、できるだけ金額を膨らませたいところですが、普段リンプインしていると強い手札の時にベットしても警戒されやすいです。
リンプインした時にも、相手に
- AA
- KK
- AK など
の強力な手札がないことを、見抜かれてしまいます。
強力な手札がないとなれば、相手は弱点を目掛けて攻撃的にベットを仕掛けてくるでしょう。
ポーカーは、攻撃的な方が強い傾向にあり、受け身になりやすいリンプインは不利になりやすいです。
フロップで当たるかもしれないと期待して、リンプインする人は多いです。
損失が少ないので手軽に行ってしまいがちですが、特別な状況以外は確実に悪手なのでやめておくべきでしょう。
なんとなくで手札を選ばない
ポーカーを覚えたばかりの人は、なんとなくで手札を選びがちです。
AAやKKといったプレミアムハンドを参加するべきなど、当たり前にプレイできる手札に関しては、間違えることは少ないです。
初心者の場合は、特に78sや67sといったスーテッドコネクターを、一発逆転できる手札として選ぶ傾向にあります。
スーテッドコネクターは、ポジションによって期待値が大きく変動します。
特に、早くアクションする前の方のポジションでは、期待値的に大きくマイナスです。
稼ぐことを意識するのであれば、ポジションによっては参加するべきではありません。
多くの初心者の人は、ポジションによって参加する手札があまり変わらない傾向にありますが、本来は使い分けるべきです。
これらは、すべてハンドレンジ表としてまとめられています。
プロでも、ハンドレンジ表から大きく逸れることなくプレイしているので、必ず表の通りに手札を選ぶようにしてください。
レイズ額を適当にしない
ポーカーは、適切なレイズ額が定石としてあります。
プリフロップの適切なオープンレイズ額は、2.5BB〜3BBです。
このレイズ額はバランスの良い金額であり、ポーカーの戦略はこの金額をベースに考えられています。
他のレイズ額を使っても悪いわけではありませんが、自分で戦略を開拓していかなければならなくなります。
オープンレイズに対してさらにレイズする場合も
- インポジション:3倍
- アウトオブポジション:4倍
が定石です。
金額も相手プレイヤーによって調整できますが、最初の内は定石どおりに間違えないプレイを、心掛けた方が良いでしょう。
- フロップ
- ターン
- リバー
のベット額にも定石があります。
基本的には、この3ストリートの場合、ポットの
- 30%前後
- 50%
- 75%前後
のベット額を使うと良いです。
現代ポーカーの戦略では、150%や200%といったオーバーベット戦略も生まれていますが、初心者向きではなく定石とは呼べません。
手堅くプレイする
ポーカーは、基本的に手堅くタイトにプレイする方が強いです。
緩くプレイする戦略もあるにはありますが、弱い手札で攻撃的にプレイする必要があるため、戦略が難しくなります。
ポーカーの定石としては、手札を絞って強い手札でのみプレイし、その代わりにより攻撃的にプレイすることを基本としています。
ポーカーではポジションが、前の方であればあるほど不利になります。
そのため、より手札を厳選する重要性が増し、手堅くプレイすることが求められます。
反対に、ボタンなどの最後にアクションをする場合は、少しだけ広くベットやレイズを行っても良いです。
ポーカーの定石②:基本戦略
ポーカーの戦略においても、定石と呼ばれる戦略があります。
具体的な戦略は、以下の通りです。
- ブラフも使ってアグレッシブにプレーする
- ドンクベットは使わないようにする
- ラストレイズアクションの後に再度ベットする(CB)
- 相手の立場になって考える
- ポットオッズを考えてコールする
これらの定石は、基本的なプレイの仕方よりは重要度が下がります。
定石を使っていけば、より相手より優位に立てるようになるでしょう。
ブラフも使ってアグレッシブにプレーする
ポーカーは、アグレッション(攻撃性)が非常に重要なゲームです。
相手がフォールドしてくれれば、こちら側のハンドがなんであれポットを勝ち取れるからです。
そのため、強い手が完成した時には、積極的に攻撃的に相手を追い詰めましょう。
ブラフに使える手が完成した場合にも、同様にベットやレイズを駆使して攻撃的にプレイしましょう。
たとえ間違ったプレーだったとしても、攻撃性が高い相手は対処されにくいです。
ブラフも攻撃的にプレイする理由は、相手を降ろしてポットを勝ち取ることはもちろん、強い手でレイズをした時にコールをしてもらうためです。
とはいえ、何もない手札でブラフをしすぎると、損をしやすくなります。
そのため、ストレートドローやフラッシュドローを、ブラフとして攻撃的に使いましょう。
何もない手札で行うピュアブラフも戦略としてありますが、初心者が使うとバランスが悪くなりがちなので注意です。
ドンクベットは使わないようにする
基本的にドンクベットは、使わないことがポーカーの定石です。
ドンクベットは、ドンキーベットという名前から来ており、ロバのような間抜けなプレイを意味します。
そのような名前が付くほど悪いアクションであるため、ドンクベットは使うべきではありません。
前のラウンドで、相手が強い手札を主張しているにもかかわらず先打ちをすることになるため、使いどころを間違えると大損になる可能性が高いです。
ドンクベットでブラフをする場合は、さらにその危険性が上がります。
また、仮に強い手のみでドンクベットをしてしまうと、相手にはすぐに感づかれてしまうでしょう。
非常にバランスを組み立てることが難しくなるため、定石通りドンクベットは行わないことがベストです。
ラストレイズアクションの後に再度ベットする(CB)
前のラウンドで最後のアグレッサーになった後に、次のラウンドで自分からベットをしてみましょう。
この行動を、CB(コンティニュエーションベット)と呼びます。
CBが有効な理由は、前のラウンドで最後のアグレッサーになった場合、そのプレイヤーの手札は最も強い可能性が高いからです。
特に、プリフロップのアグレッサーがフロップでCBを打つ戦略は、有効とされています。
たとえば、AAやKKを持つプレイヤーはプリフロップでレイズすることが基本ですが、コールで入ったということはAAやKKを持っている可能性が低くなります。
つまり、フロップでは相手に最強のハンドがないことになるので、CBを打つことでブラフを通しやすくなるということです。
ブラフとして行われやすいということを知っている人も多いので、強い手札の時にもコールをもらえやすいです。
とはいえ、ボードによってはアグレッサーが、不利になることもあります。
過度に行うとレイズを返されやすくなるため、適度に行うことが必要です。
相手の立場になって考える
ポーカーをプレイしていると、自分の手札の強さにしか目がいかない人は多いです。
しかし、これでは自分の手札が相手より強くなるかどうかの、運勝負になってしまいます。
ポーカーをプレイする時は、相手の立場になって手札を考えることが重要です。
たとえば、相手が3betや4betを返さなかったということは、高確率でAAやKKを持っていないということがわかります。
反対に、相手が3betや4betを返した場合は、98oや95sなどの手札を持っていないことがわかります。
相手のアクションを見た上で、相手の手札にはどのような手札が残っているかを、考えることがポーカーの定石です。
相手から見て自分の手札がどのように見えているか、想像しましょう。
そうすれば、相手がなぜそのアクションを選んだか、想像できるようになります。
自分の手札の完成を待つだけでなく、相手がなぜそのアクションを取ったのかを意識することで、弱い手札しか持てなかったとしても勝てるチャンスが生まれます。
ポットオッズを考えてコールする
コールをする時は、常にポットオッズと手札の勝率を考えてコールをしましょう。
ポットオッズを計算することで、コールするために必要な勝率が計算できます。
たとえば、ポットが100ドル、相手が100ドルをベットしてきた場合、必要な勝率は約33%です。
ターンでポットベットされた場合でも、オープンエンドストレートドローとフラッシュドローがあれば、勝率34%なのでコールすべきとなります。
勝率が3割程度しかなくても、期待値的にはコールする戦略が正しいということです。
これは、ドローなどのわかりやすい状況以外でも使うべきです。
たとえば、自分がトップペアを持っている時は、相手のレンジにどれだけブラフがあり、どれだけ自分より強い手札があるかを想像し、オッズを計算しましょう。
相手のベット額によっては、20%の勝率でもコールせざるを得ない場合もあります。
5回に1回の勝率では、短期的にマイナスになりやすいですが、ポーカーでは長期的にプラスになる戦略をとっていかなければなりません。
ポーカーの定石をさらに分析する方法
ポーカーの定石をさらに分析したいのであれば、GTOを勉強しましょう。
ポーカーにおけるGTOは、数学的にポーカーの戦略を分析することを指しており、現代ポーカーのすべての定石はこのGTOから生まれています。
GTOを使ってポーカーを勉強する場合は、以下の2つのGTOツールが有名です。
- Pio Solver
- GTO Wizard
GTOツールを使えば、ボードに応じたアクションの期待値や適正な頻度が分かります。
また、ボードに対してすべての手札の組み合わせが表示されるため、定石も分析しやすいです。
特にGTO Wizardは使いやすく、純粋な計算機であるPio Solverよりも、初心者に向いています。
ただ、どちらも月額かつ高額なツールになるため、基本的な定石を覚えてから使用しても問題ありません。
基本的に世の中にある有用なGTOツールはすべて有料なので、必要になったら使うようにしましょう。
ポーカーの定石(基本戦略)を覚えて勝率を上げよう!
ポーカーは運要素の強いゲームですが、完全に運だけのゲームではなく、戦略によって成績を向上させることができます。
ポーカーの戦略には、GTOを学んだ先駆者たちが作り上げた定石が存在し、定石通りにプレイすれば勝率は格段に上昇します。
ポーカーの定石は数多く存在するため、最初から使いこなすのは難しいでしょう。
1つずつ意識しながらポーカーをプレイして、覚えていくことがベストです。
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