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数々のポーカー大会で優勝経験を持つ、日本を代表するプロポーカープレイヤー。
WSOP(World Series of Poker)にも参加した経験があり、その実績と卓越したスキルから国内外で高い評価を受けている。
現在はカジノ業界の企業に勤めており、初心者から中級者に向けてテキサスホールデムの戦略をレクチャーすることで、ポーカーの楽しさと奥深さを広めている。
ポーカーのチェックとは、自分の順番の際にベットもフォールドもせずに、順番をパスするアクションです。
主に自分のハンドに自信が持てない時や、相手の動きを見極めたい場合などに使用しますが、戦略的に活用することでポットサイズを拡大させることの可能です。
ただし、チェックはいつでも使用できる訳ではありません。
ポーカーでチェックを使用する場合の条件や、使用する目的や期待できる効果などを、詳しく解説します。
ポーカーのチェックとは?
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ポーカーのチェックとは、ベッティングラウンドでおこなうプレイヤーのアクションの一つで、自分のターンでお金を賭けずに次のプレイヤーに順番を回すことを意味します。
チェックは、主に自分のハンドに自信がない時などに、他のプレイヤーの動きを見極めるためなどに使用されます。
逆に、チェックをすることで相手を惑わしたり、あるいはブラフを誘うような効果も期待できるでしょう。
ただし、チェックが使用できるのは、自分より前のプレイヤーがベットをしていない場合に限られます。
ホールデムポーカーの基本的なアクション
チェックは、ホールデムポーカーのベッティングラウンドで使用する、アクションの一つです。
ベッティングラウンドとは、プレイヤーがアクションを起こすタイミングのことです。
もしも全員がチェックをした場合には、そのラウンドは流れて次のラウンドに進みます。
ポーカーのベッティングラウンドのアクションは、次の5種類です。
- ベット:賭け金(チップ)を積む
- レイズ:ベットするチップを上積みする
- チェック:ベットせずに順番を回す
- コール:直近のベットと同額の賭け金を積む
- フォールド:ハンドを放棄してゲームを降りる
プレイヤーがアクションを起こすタイミングは
- プリフロップ
- フロップ
- ターン
- リバー
の4回があります。
フロップからコミュニティカードが、1枚ずつオープンされます。
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ポーカーのチェックの役割
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ポーカーのチェックは、ベットをせずに次のプレイヤーに順番を回す「パス」といえるアクションです。
チェックがはたす主な役割は、以下のとおりです。
項目 | 詳細 |
---|---|
ポットサイズのコントロール | それほど強いハンドではなく、リスクを低くして勝負したい場合には、チェックをすることでポットサイズを小さく抑えられます |
様子見 | アクションに迷った際に、まずは相手の出方をうかがうためにチェックを使用します |
ブラフを誘う | チェックをすることで相手のベットを誘い、その後のブラフを仕掛けるチャンスを生み出します |
相手を油断させる | チェックすることで自分が弱いと見せかけて、相手を油断させ大きな勝負を仕掛けるタイミングを狙える効果があります |
チェックを使うタイミングは、自分自身の役の強さとゲーム進行のムードを見極める必要があります。
もしもテーブルについているプレイヤーが熱くなって、ドンドンレイズされていくような場面では、クールダウンさせる効果が期待できます。
自分自身に迷いが生じた場合には、プレイの流れを一旦とめて立て直すチャンスを作ることもできます。
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チェックとコール、フォールドの違い
ポーカーのアクションで、レイズは相手のベットに対して上乗せをしていく、強気のアクションです。
一方で、ラウンドをコントロールするアクションが、チェック・コール・フォールドです。
初心者プレイヤーでは、それぞれの意味や使用する場面を混同しがちなので、整理してみましょう。
まずは、ラウンドでベットされているかを見極めます。
もしもベットをされていたら、様子見のためのチェックは使えません。
その場合は、コールもしくはフォールドを選択します。
用語 | 説明 |
---|---|
コール | 他のプレイヤーと同じ額のベットにおさえて勝負をする、やや消極的なアクションです。 絶対勝てると確信できないが勝負をしたい場合には、コールを選択します。 |
フォールド | 現在のラウンドの勝負を、放棄するアクションです。 その時点で負けは確定しますが、傷口は最小限に抑えられます。 |
弱いハンドの場合はフォールドをした方が無難ですが、あえてブラフ(はったり)を選択して勝負に出るのも、選択肢の一つです。
ただし、ブラフを選択したばかりにプレイヤーが、どんどんレイズしていけばポットサイズも大きくなり、ビッグゲームに発展していきます。
その分、リスクも膨れ上がります。
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チェックのジェスチャー
実際のゲームの場面でチェックを選択する際には、どのように宣言をすればよいのでしょうか。
オンラインカジノのポーカーであれば、ライブゲームでもビデオゲームでも、「チェック」のボタンがあるので宣言は簡単です。
ランドカジノでプレイしている際にチェックを宣言する際には、「チェック」と言葉に出すよりも、アクションで示した方がスマートです。
- 人差し指でテーブルをトントンとタップする
- 自分自身の肩や腕などをトントンとたたく
- 人差し指を立てて円を描くように回す
これらのジェスチャーをすれば、周囲のプレイヤーやディーラーは、「チェック」と理解してくれます。
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チェックが使える条件
ポーカーでチェックを活用する際には、一定の条件があります。
- 手前のプレイヤーがベットしていないこと
- 自分のターンで宣言すること
自分のターンのタイミングで宣言するのは、当然のマナーです。
もっとも重要なのは、自分の前のプレイヤーが誰もベットしていないこと、一人でもベットをした場合には宣言できません。
そのため、チェックを使用する際には、ポジションが重要です。
チェックは、他のプレイヤーの様子見をするアクションなので、できるだけ後のポジションの方が有効に活用できます。
ブラインドポジションよりも、アーリーポジション・ミドルポジションの方が、望ましでしょう。
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ポーカーでチェックを活用する目的
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ポーカーのチェックとは、ベットをせずにパスをして次のプレイヤーに、順番を回すアクションです。
チェック順番をパスすることで、他のプレイヤーの動きを探るという役割がありますが、さらに、自分自身のハンドの状況によって活用する目的が変わってきます。
ここでは、それぞれのチェックの目的の違いを確認しましょう。
ハンドの役が強い場合
ハンドが強い場合に強気のベットをすれば、相手はフォールドしてしまう可能性があります。
勝つことはできますが、ポットサイズは小さいでしょう。
チェックをすればで相手のベット、あるいはブラフを誘引してレイズさせて、ポットサイズを大きくする効果があります。
自分の役が強い場合にチェックを使用することで、他のプレイヤーにハンドが弱いと思わせる、逆ブラフとも言えるような効果が考えられます。
相手に弱気と思わせることでレイズを誘いだし、ポットサイズを大きくする効果が期待できるでしょう。
その上で、チェックレイズやチェックコールといった新たなアクションにつなげれば、大きな勝利が望めるでしょう。
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ハンドの役が弱い場合
自分のハンドが弱い時にチェックをすることで、相手のハンドを予測します。
- 相手もチェックする:ハンドが弱い可能性がある
- 相手がベットする:ハンドが強い可能性がある
様子を見たうえで、勝てそうもなければチェックフォールド、つまりゲームを降りれば最低限の損失で済ませることができます。
またゲームを継続するとしても、チェックをすることでポットサイズを小さく抑えられる効果が期待できます。
さらに、フロップやターンで役が改善する見込みがある場合には、チェックを活用することでリスクを減らしながら次のターンにのぞみを繋ぐことができます。
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ポーカーでチェックを使用するデメリット
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ポーカーのチェックは、必ずしも消極的な戦略ではありませんが、使用する際には以下のようなデメリットもしっかりと認識する必要があります。
- チェックをすることで、ゲームの主導権を他のプレイヤーに渡してしまう
- 相手にフリーベットやブラフなどを使用する戦略の幅を与えてしまう
- ポットサイズが大きくなりにくくなる
- 相手に勢いを与えてしまう
つまり、チェックは他のプレイヤーの手の内をしっかりと観察できる効果がある反面、相手を勢いづかせてしまうデメリットもあるのです。
チェックを使用するのであれば、これらのデメリットを常に頭に入れながら、状況次第でいつでもフォールドする覚悟が必要です。
逆に、ハンドが強い場合に戦略としてチェックを使用した場合には、他のプレイヤーもチェックしてしまうあるいはフォールドしてしまうなどにより、せっかくのチャンスを逃す恐れもあります。
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チェックを効果的に活用するアクション
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ポーカーのチェックは、ゲームの最中に一旦立ち止まり、周囲の動きを見極めるアクションです。
実際のゲームで重要なのは、むしろチェックをした後にどのようなアクションを起こすかが、重要といえるでしょう。
チェック後の主なアクションは、3種類です。
- チェックフォールド
- チェックコール
- チェックレイズ
そして、相手がチェックした際にチェックで返すことを、チェックバックといいます。
プレイヤー全てがチェックバックをすれば、そのラウンドは終了し次のラウンドに進みます。
チェックフォールド
チェックフォールドはチェックをした後に、他のプレイヤーのアクションを見極めたうえで、フォールドをする方法です。
自分自身のハンドに自信がないが一応、他のプレイヤーの動きを見極めたうえで、意思決定したい場合に有効です。
状況を確認した上で無駄な損失を防げますが、相手に主導権を渡してしまう恐れもあります。
初心者であれば、本当に役が弱ければ素直にフォールドする方が、潔いかもしれません。
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チェックコール
チェックコールは、他のプレイヤーが自分がチェックしたのを見てベットした際に、次のターンでコールをするアクションです。
自分がアーリーポジションなどの、順番の早いポジションにいる場合に有効です。
ただし、コールしたことで相手がフォールドしてしまうと、戦略として失敗です。
チェックコールが有効に機能する条件は、以下のとおりです。
- 自分のハンドに中程度の強さがある
- 相手が積極的なプレイをしている
- 相手が自分のハンドを弱いと判断している
- ポッドオッズが良好
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チェックレイズ
チェックレイズは、チェックした後に相手がベットをしたら、次のラウンドでベットに対してレイズをするアクションです。
チェック後に相手がベットした場合には、自分のハンドが弱いと判断していると考えられます。
そのため、次のターンでレイズをすれば、相手はコールする、あるいはフォールをする可能性が高くなります。
チェックレイズが有効に機能する条件は、以下のとおりです。
- 自分の役が強く自信がある
- フロップ以降でプレイする順番が早い
- 相手が自分の役を弱いと判断している
- 相手のプレイが積極的
ポットサイズが大きくなっても、勝負に出るという積極的な戦略です。
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ポーカーでチェックを使用する際の注意点
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ポーカーでチェックを使用する場合のチェックポイントは、以下のとおりです。
自分の役の強さを冷静に判断する
チェックは、基本的に自分の役に自信が持てない場合に、使用するアクションです。
中程度以上の強さがあると判断した場合には、ベットしてゲームを楽しむ方がおすすめです。
そして、本当に自信が持てなければ、素直にフォールドするのも選択肢です。
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ポジションを確認する
チェックの基本は、相手のアクションを見極めることです。
チェックを戦略的に活用するためには、自分が早いタイミングでアクションができるポジションにいることが重要です。
後ろのポジションで、前のプレイヤーがベットをしてしまえば、そもそもチェックができなくなります。
よほど役に自信がない限りは、チェックの次のアクションの多くは、フォールドということになるかもしれません。
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ポーカーで戦略に迷ったらチェックしよう!
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チェックの基本は、「様子見」です。
他のプレイヤーの動きを観察できますが、その分次のターンでの判断が難しくなる恐れもあります。
ハンドが強ければベット、弱ければフォールドというように、素直にプレイするのが基本です。
ただし、自分の役が中程度の強さで、ベットするかフォールドするのか迷った時には、状況判断をするためにチェックを選択するのがおすすめです。
ブラフとしてチェックを利用するのは高等戦術、初心者プレイヤーが使いこなすのは、ハードルが高いかもしれません。